2015-01-01から1年間の記事一覧

私を芸術家にした怪物たち―『センダックの絵本論』

『センダックの絵本論』を読みました。 センダックの絵本論 作者: モーリスセンダック,Maurice Sendak,脇明子,島多代 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1990/05/25 メディア: 単行本 クリック: 3回 この商品を含むブログ (6件) を見る モーリス・センダッ…

海の五角形、棘皮動物―『ヒトデ学』

小説を読んでいて新しい登場人物が出てきたとき、その姿を思い浮かべてみる。しかし、それがうまくイメージできない時もあります。テッド・チャンの『あなたの人生の物語』に登場する異星人ヘプタポッドはなかなか思い描きにくい姿をしていました。曰く、七…

かはくさんぽ―国立科学博物館

かはくさんぽ(0)はじめに 国立科学博物館 日本館 ネオルネサンス様式の建物自体が国の重要文化財 正面には神殿のような石の柱。 上野の「かはく」こと国立科学博物館といえば老舗で大御所で超有名博物館。解説書籍もネット上の見所案内も充実しており、い…

評価されない人気者―『二人でノンタン』

墨の線はまっすぐではなく、ぶるぶるふるえているような線ですが、決して緊張のために手がふるえたわけではありません。最初、ネコのふわふわした毛並みの感じを出そうとして描いたもので、画面全体も柔らかなものにするため、建物も花も木もみんな動物と同…

猫はサイエンスがお好き―『真夜中に猫は科学する』

真夜中に行われる猫の集会と言えば、ミュージカル「CATS」が思い浮かびます。舞台だけではなく客席にも自由自在に登場する猫たちが主役で、人間の登場はありませんが、舞台の存在そのものから猫という生き物に対する人間の特別な愛情(ちょっと片思いっぽい…

男の子と女の子の『妖怪ウォッチ』

本屋の絵本コーナーの片隅には子供用雑誌が置かれており、先日久しぶりにのぞいてみたら驚きの赤。小学館の学年誌である『幼稚園』『小学一年生』『小学二年生』は全て表紙に赤い猫のキャラクターが描かれている。そう、昨年2014年に子供世界のカルチャーを…

朝ドラ「松谷みよ子」がみたいです。―『自伝 じょうちゃん』『小説・捨てていく話』

むかしむかし、きのうのきのうくらいむかし、じいさまとばあさまがありました。じいさまは山へ毎日木を伐りに行っていましたが、あるとき、弁当を食おうとひろげたら、雀がみんな食べてしまっていて、くうくう昼寝をしていました。あんまり可愛いので懐に入…